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第2回 星野リゾートブランドの魅力を体験 「日本型のおもてなしと高い客室稼働率の秘密」

星野リゾートグループの基幹ブランドである「星のや」。国内リゾート市場に和風高級リゾートの非日常感を提供している。その中でもトップブランドである「星のや 軽井沢」を訪問し、スモールラグジュアリーとして惹きつける魅力を体験した。

星のや 軽井沢は客室数77室。敷地内に温泉、スパの他、宿泊客にとって様々なアクティビティが可能な施設や自然が隣接されている。

最初に見学したのは軽井沢高原教会と軽井沢石の教会で有名な内村鑑三記念堂。軽井沢で結婚式を挙げる教会として歴史があり人気が高い。内村鑑三記念堂は石造りの教会で自然と一体化したオーガニック建築が特徴だ。石とガラスで組み合わされた建物は、一日中太陽の動きにあわせて光が中に差し込む設計がされている。

軽井沢高原教会フォト

軽井沢高原教会

内村鑑三記念堂フォト

内村鑑三記念堂

次は軽井沢の自然と遊ぶ森のいきもの案内人、「ピッキオ」。昼は「野鳥の森ネイチャーウォッチング」、夜は「空飛ぶムササビウォッチング」のエコツアーが人気だ。星のや軽井沢宿泊客だけでなく、だれでもピッキオの案内でじっくりと軽井沢の自然に触れることができる。

ピッキオの井上 基さんフォト

ピッキオの井上 基さん

「このエコツアーは実は子供だけではなく、大人にも人気なんですよ」と教えていただいたピッキオの一人井上さん。この日は雨のため実際にツアーには参加できなかったが、木から木を飛んで移動するムササビの生態系やクマの秘密など、エコツアーで語りかけるような楽しいトークで自然探検の楽しさを話していただいた。

宿泊施設は山間の集落のように落ち着いたたたずまいが特徴だ。

川にせせりだした「水波の部屋」、山側の「山路地の部屋」、長期滞在や人数の多い家族が一緒に宿泊できる「庭路地の部屋」の3タイプに分かれる。今回「水波の部屋」、「山路地の部屋」を見せていただいた。部屋の中は落ち着いた和風のたたずまい。ベットルームの他、掘りこたつなどでゆっくりくつろぐことができる。またどの部屋にもテラスが用意され、水波の部屋のテラスからは夜、水面に照らされる水行灯の情緒ある景色を楽しむことができる。

水波の部屋フォト

川にせせりだした「水波の部屋」。水面に浮かぶ水行灯は情緒的な夜の景色を楽しめる。

「星のや軽井沢の魅力を堪能していただだくため、原則2泊からお泊りいただいています。」と説明された星のや軽井沢広報担当の秋山 香織氏。テレビもなく最初は外の情報も入らないことに不安も感じるが、数時間も経てば自然の中に溶け込んだこの空間に身をゆだねる心地よさを実感することができる。

落ち着いた雰囲気のベットルームフォト

落ち着いた雰囲気のベットルーム

ゆっくりくつろげる堀りごたつフォト

ゆっくりくつろげる堀りごたつ

食事はメインダイニング「嘉助」の他、「山の懐石」などで好み応じて自由に選んで食べることができる。「嘉助」は棚田をモチーフにした階段状の席が特徴だ。窓の外には実際に棚田がイメージして作られている。あたたかな色合いのライティングの下で、ゆっくりと旬な食材を使った料理が味わえる。

嘉助の上にあるリビングスペースは、書籍もたくさん置いてあり、コーヒーやお茶、お菓子などが24時間提供されている。夜中でもゆっくり本を読み、お茶を飲みながらくつろぐことができる。

棚田をイメージしたメインダイニングフォト

棚田をイメージしたメインダイニング

24時間利用できる利用できるリビングスペースフォト

24時間利用できる利用できるリビングスペース

長期滞在型リゾート施設にふさわしく、スパプログラムも充実。日数や目的にあわせた複数のプランが用意されている。リラックスできるオイルトリートメントだけでなく、本格的な指圧、鍼、温灸、あんまなども選ぶことができる。

軽井沢は昔から別荘も多く、長期滞在型のリゾート地として人気が高いが、「星のや 軽井沢」の客室稼働率はとても高い。平成25年5月~平成26年4までの累計は79%とほぼ8割を誇る。2日間の滞在費用は決して安くはないが、リピート率の高さも含めてその秘密は一度宿泊すると感じることができる。

一つ目は宿泊施設などのハード面が充実しているだけでなく、星のやの強みはソフト面である従業員の質の高さ。顧客が滞在中、チェックインからチェックアウトまで複数の従業員が接するが、顧客の嗜好や話、興味などを共有化し、だれでもその顧客の担当のように接する。顧客は滞在時間が長くなるほど、従業員との距離間が縮まり、居心地の良さを感じるようになってくる。

二つ目はホテルと顧客との関係。欧米系のホテルは主従関係でありコンシェルジュは顧客である主(あるじ)の要望に応えるサービスを提供する。星のやは主従関係というより顧客に対し積極的に楽しみ方を提案・提供する。先に紹介したピッキオもその一つ。とかく長期滞在が苦手な日本人に対し、様々なプログラムを用意しながら顧客と接し、好みなどを把握しながらその人に合った楽しみ方を提案する。2日間最初は何をしたらよいかわからない顧客も、従業員との会話の中で一緒に見つけ出し、楽しむことができる。

このような徹底されたオペレーター教育が、「高くても行きたい」、「泊まりたい憧れの星のリゾート」としてブランド化され、高い客室稼働率につながっている。

今後軽井沢だけでなく、2016年には東京大手町に新しい星のやがオープンする予定だ。星野リゾートのオペレーターノウハウを生かし、2020年の東京オリンピックを控え、今度はインバウンドの海外からの旅行客もどう満足させるサービスを提供するか今から楽しみだ。

 

≪[第1回] 星野リゾート・アセットマネジメント代表取締役社長 秋本 憲二氏に聞く「ホテル・旅館特化型リートの今後の狙い」

 

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